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歯肉の縁より下まで削ってある部分の印象法について

歯肉の縁より下まで削ってある部分の印象法について

歯の型を採る材料には、弾力性のある材料が用いられます。大きく分けて、アルジネートあるいは、ハイドロコロイドと言われる寒天系のものと、合成ゴム系のものがあります。

アルジネートは水を加えて練って用いるものですが、形を取った後に化学反応と脱水が起こるため、あまり精密ではありません。ハイドロコロイドという寒天系の印象剤は、表面の再現性は良いのですが、脱水が起こることと、強度があまり強くなく切れやすく、変形しやすいので制度には不安があります。

これに対し、シリコンゴム系印象剤は高価になりますが、これらの欠点がなく、精密印象には適しており、工業界での精密印象にも広く使われている材料で、信頼性は高いものです。歯肉と歯の隙間の型を採るのにも適してはいるのですが、薄くなったゴム部分は弱い力でもたわみを起こしやすく、模型を作るため石膏を流し込んだだけでも変形してしまい、そうなった時には模型の精度の、特にクラウンの辺縁部で悪くなります。

それに対処するため、当院ではクラウンの印象では原則的に1本1本の歯に合わせて鋳造したキャップを作り、その金型を使ってゴム系印象剤で型をとります。そうすることで、歯肉のかげの目に見えない深部の形が正確にとれ変形が防げます。

ちょっと手間がかかるようですが、超精密な印象法ですので、出来上がったクラウンの精度はたいへん優れたものになります。

単独歯のクラウンと、多数歯にわたってつながっているブリッジとの違い

1)単冠(1本だけ歯にクラウンを被せる時)では、咬む面に加わる力は主に垂直的、あるいは斜め方向から力が加わるので、それに十分対応するような歯の削り方をすればほぼ問題はありません。

2)しかしながら、3本以上の支台となる歯を含むブリッジになると、一方の端で咬むと、中央の歯が支点となって他方の端が浮き上がる、シーソーのような力学的な効果が起こり、その支台歯ではブリッジがひきはがされる危険があります。その力に十分に対応しておかないと、早期に失敗を起こしてしまいます。

ですから、単冠の時よりより強固な維持力が必要となり、削る時の傾斜角度をより平行にし、歯軸と平行な溝を数本ずつ入れて外れにくくします。これを各支台歯に行い、全支台歯が平行に削られないといけません。このため、単冠と比べると、ブリッジははるかに正確さを要求されます。

多数歯にわたるブリッジになると、固定する点がふえるので外れにくいと考える人もいますが、今述べた理由により、逆に外れやすくなるのです。

3)さらにもっと大きな多数の支台歯を含むブリッジであるとか、歯周病で動きの増した支台歯のブリッジにあると、ブリッジをセメントで合着する時に、歯の抵抗する力に差があるため、その違いによってセメントの厚さにばらつきが出てしまいます。

セメントが厚くなってしまった所では、引きはがれや虫歯の再発が起こりやすく、1本の歯にそのような問題が起こると、全体の失敗になってしまいます。そのようなことが起こりうるような症例では、テレスコープクラウン(ダブルクラウン)という方法を選択しています。

まず、各支台歯に薄い金属冠を個々に被せます。(コーピング冠、あるいは内冠)各コーピング冠の外面はすべて同じ方向に整えておき、その上に全体がつながった大きなブリッジを入れます。個々の支台歯は精密に適合した、コーピングで守られており、その上に審美的に作られたブリッジを入れることで、問題を解決しております。

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